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2章:内藤 カスミの場合 (2/14)

「ただいまー!」

アタシは、元気よく扉を開けた。

『おかえりー…じゃなくて、いらっしゃいませ。』

一瞬ビクッとした小さいオッサンは、照れくさそうに言い直した。

懐かしい笑顔。

『今回の入体はいかがでしたか?』

「うん。
なかなか楽しかったよ!」

それは良かったと、小さいオッサンは目尻に皺を寄せた。

「でもねー、
やっぱり子供の成長は見届けたかったよ。
せめて孫の顔見たかった。」

アタシは、子供が大学三年の時に脳梗塞で死んだのだ。

39歳の冬

前日までピンピンしていたのに、突然の事だった。
担ぎ込まれた病院で、息を引き取ったアタシを家族が取り巻き、泣いているのを幽体となって天井から複雑な気持ちで眺めていた。
ただ、息子だけは泣いていなかった。

【男は人前で泣かない。】【辛い時ほど笑わなきゃいけない。】

と言う教えを忠実に守っていたようだ。
一人こっそりトイレに抜け出し泣いている息子をアタシは抱きしめ、別れを告げて、ここに戻ってきたのだ。
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(幽)輪廻 ©著者:まっきー

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