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12章:反撃
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「どういうつもりだ?ミドリ。説明してもらおうか」
その夜、ホテル・プリンセス
夕食が終わり、あてがわれた部屋に由香里が引き上げた後、例の二階の北側角部屋にて拓馬は待ち構えた様にミドリを問い詰めた
「説明って何を?」
「全部だ!」
しれっとした顔で聞き返すミドリに対して拓馬は苛立たしげに声を大きくする
「全部だよ!由香里さんに何を言ったのか、山岸さんの事件の真相の見当は付いているのか、たった一週間でこれから何をするつもりなのか、なぜ俺に説明もせずに事を起こそうとしたのか、とにかく全部だ!」
(特に最後の、俺に何の断りもなく勝手に由香里さんに事件の解決を請け負った件については絶対に説明させるからな!)
拓馬は蚊帳の外に置かれた事が、これほど苛立たしい気持ちになるとは自分でも意外だった
由香里の『宣言』の後、警察署の前で別れ際に進藤が拓馬に対して
「ちょっと」
と呼び、声を潜めて尋ねてきたのだ
その時の会話が拓馬の脳裏に甦る
「この事は十文字くんも承知の事か?」
その質問に対して
「いいえ」
と答えなければならない情けなさ
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浮遊する言霊 ©著者:黒蝶少年
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