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10章:舞台と役者と
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拓馬の長い話を由香里は身じろぎもせずに聞いていた
(そうだったの…拓馬さんとミドリさんにはそんな事が)
「わかった?拓馬と僕の馴れ初め」
なぜか得意気にミドリが言い、拓馬にコツンと小突かれる
「痛いよ!」
「何が馴れ初めだ」
「馴れ初めじゃないか!だって僕は唇を…」
懲りずにミドリが言い、また顔をしかめた拓馬に頭を小突かれる
「その話はするな」
そんな二人のやり取りを眩しそうに由香里が見ている
(それから半年間、二人で色々やって来たんだろうな。それが二人をますます強く結び付けている)
(でも拓馬はさんはともかく、ミドリさんはどこで拓馬さんを圧倒する武術の技、それにトップレベルのビジネススキルを身に付けたんだろう?)
由香里が考えを巡らせている間に呼び鈴が鳴った
進藤と山岸が到着したらしい
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浮遊する言霊 ©著者:黒蝶少年
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