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6章:氾濫する月光
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「…ミドリはマインドコントロールってどう思ってるのかな?」
思案した末に拓馬の口から出た問いはこれだった
「何それ?聞きたい事ってそれ?」
ミドリはころころと笑い転げると、ほっそりした素足を拓馬の足にしっかりと絡ませ、更にぴったりと拓馬に擦り寄り、その胸に頭を乗せながら話し始める
「マインドコントロールは比較的新しい言葉で解釈も定義も曖昧なんだけどさ、洗脳や催眠療法とよく混同されるよね」
「それって違う物なのか?」
「イエスでありノーであり、ってところかな…言った通りマインドコントロールの定義が確立されていないから…マインドコントロールの中には洗脳みたいな強制力を伴う物も含まれるし催眠的な誘導も包括されるみたいだからね。第一洗脳とマインドコントロールの違いなんて心理学者が後付けで解釈をくっ付けてるだけで、ケースバイケースだと僕は考えてる。強制的で監禁を伴う物を洗脳と呼んでる人がいるみたいなんだけど、そんなのその人が定義しただけだから」
ミドリは拓馬の肌に軽く綺麗な歯を立てると言葉を続ける
「僕が言いたいのはそれよりもマインドコントロールにおいていったい『何が』人を従わせるか?って事だよ」
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浮遊する言霊 ©著者:黒蝶少年
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