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5章:薔薇は赤く スミレは青く (11/11)

幽玄の趣さえ思わせる、ミドリのたおやかな白い裸身が、しっとりとした感触と共に、拓馬の引き締まった筋肉質の身体に絡み付き、シナモンに似たミドリの体香がふわりと薫る

(ああ…俺は…絡め取られる…)

思わず目を閉じる拓馬の耳許でミドリの紅い唇がとろりと囁く

「そう…拓馬は僕の物なんだから…僕だって拓馬の物だよ。毎晩だってそれを思い知らせてあげるからね…毎晩だって…」

くっくっと喉を鳴らすとミドリはさらに謳う

薔薇は赤く

スミレは青く

砂糖は甘く

そうして君も

その言葉が合図の様に、絡み合い、もつれ合った二つの蒼い裸身がベッドに倒れ込む

褐色の裸身がもがく白く薄い裸身を組み敷く

「ね、拓馬…キスして…」

喘ぎ、求める甘い唇を拓馬が貪り、舌を探り当てて吸う

「もっと…ね…もっと…」

催促の声が次第にとろとろと蕩けていく

「拓馬…ああ…ああん…」

汗ばんだ裸身はさらに熱気を帯びて昂りを見せる

「そこ…そこも…あ…あはっ…いい…」

白い肌はねっとりと耀きを増し、妖美に震える

「あっ…あん…いいよ…いい…あっ…あっ…あっ!ああっ!!…」

甘美な快感に高く高く登りつめ、弾け、そしてゆるゆると堕ちる

堕ちていく

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浮遊する言霊 ©著者:黒蝶少年

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