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6章:氾濫する月光
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「説得や教育ならガッコの先公でも出来るじゃないか」
「そうだよ」
ビスクドールめいた美しい顔に澄ました表情を浮かべてミドリが応じる
「人を本当に従わせるのは『言葉』だからね。教師というのも確かにマインドコントロールの技術を有しているよ。特に人望のある優れた教師はね」
「いやいやミドリ。そりゃマインドコントロールとは違うだろ。ましてその『何か』は只の『言葉』だっていうのか?先公の説教がマインドコントロールかよ?言葉なんか毎日飛び交ってるじゃないか?」
「そうだよ。毎日飛び交ってる言葉だからこそ、誰にも理解されるし、人の心に真に響くんだ。言葉は人の人生を変える事も、人の生き死にを左右する事も可能だ。逆に言えば言葉以外には不可能だと思う。他に何があると言うの?拓馬」
「う…」
ミドリに切り返され、拓馬は目を白黒させる
そしてミドリの言葉を吟味するかの様に考えていたが、やがて口を開く
「そう言われると一理ある様な気も…いや、でもマインドコントロールとは違うんじゃないか?やっぱ、あれは心理的に誘導するメンタリズムみたいなのの事を…」
「拓馬さあ…テレビ番組でやってる、メンタリズムとか呼ばれてるあれなら完全なテーブルマジックだよ」
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浮遊する言霊 ©著者:黒蝶少年
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