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6章:氾濫する月光
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「『何が』ってやっぱりあれじゃないのか?暗示とか何とか、特定のキーワードを言ったり特殊なマークを見せたりすると、人間の深層心理の何かが働いて…」
「…たちまち催眠状態に誘導されるのがマインドコントロールだと言うの?サスペンスドラマの見過ぎなんじゃないの?拓馬」
ミドリが呆れた様に首を振る
「普通の人がいきなり暗示の言葉なんかでトランスと呼ばれる催眠状態まで誘導されるなんてまずないね。そんな人がいるとしたら何らかの精神疾患を持っている人だよ。ごく普通の精神状態の人を催眠状態にするのなら、例えば信頼の持てる臨床心理士に時間をかけ、段階を踏みながら催眠誘導を受けるか、でなければアミタールやメスカリンみたいな薬物の力でも借りなきゃね。それに第一、そんなトランス状態まで誘導するのがマインドコントロールだとは僕は思わない。マインドコントロールを分かりやすく言い表すなら…」
「言い表すなら?」
「…近い言葉は『説得』あるいは『教育』だな」
「何だって?そりゃ違うだろ」
ミドリの言葉に思わず拓馬は目を剥いて反論する
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浮遊する言霊 ©著者:黒蝶少年
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