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1章:【remind】①-1 白いスーツの妖精 (10/10)

◇◇◇

飛鳥は、案内された事務所で居並ぶ猛者達に物怖じもせずに、堂々と応接室のソファに座った。


「若、どこの女?」

若頭がそっと耳打ちする。

「よくは――解んねぇんだ。けど俺の女だから、よろしくな」


威風堂々とした親爺が姿を見せると、飛鳥は立ち上がって挨拶をした。


「お嬢、女伊達らに金融やりたいってか?」

「英二さんのお力を借りまして――」

「どうしてやりたいんだい?」

「社長さん。それはお金が欲しいからです。元手も一千用意してあります」

「ほぉ! どこで調達した?」

「野暮は聞かんとってあげて下さい」

「ふん……あんた、金融は命掛けの仕事になるけれど。解ってるのか?」


「社長さん、刺されて死ぬのは一回ですから。そう思えば何ら怖くは無いですわ……英二さんのええシノギにしてみせます。取りは6-4でどないですか?」

「おい! 英はどうしたいんだ」

「俺らにやらしたって」

飛鳥の凛とした姿と物言いに、猛者達も目を見張っていた。


「大した根性だな、その狼みたいな眼が気に入った。男なら――この場でスカウトだな」

親爺が笑って、飛鳥に了解した。
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白いスーツの妖精〜Miri再び ©著者:七斗

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