こうが、いじけた日

「レイ、指輪買いに行かなきゃ、来週見に行こうよ」


「あっそうか、忘れてた、レイいらない」


「なんで？俺、お金貯めてるよ」


「こう、どうやって貯めたの？そんなゆとりなかったでしょ？」


「ずっと現場の仕事してる時から…貯めてたのがあったから、まさかレイと結婚するなんて思わなかったから車買うつもりで貯めた」


「レイの指輪買わないと、周囲の人に恥ずかしいから 買いに行こう」


「ありがとう、気持ちだけ受け取るよ。そのお金そのまま持っててよ」


「どうして？俺だって男だよ、恥かかせんなよ！」


「こう聞いて、二人が結婚して新しく会社を立ち上げて すべてがうまく行くって保障は何もないのね。こんな時代不安定だからさ

まして、こうが今の会社を辞めてうちの会社に入って、会社がうまくいかなかったら…どうする？

二人とも、失業するんだよ。レイだって多少の蓄えはあるけど、大半を創立に使うでしょ？

まさかの時の、貯蓄は一円でもあった方がいいでしょう？ね」