8章:嘘 (11/11)

次の検診の日

「先日の検査の結果で気になる所があり、ここでは対応できないので紹介状を出します」

その言葉に頭が真っ白になる

以前からお世話になっている大学病院に行くことにした

「残念ですが、今回の妊娠は諦めて、治療された方が良いと思われます。」
雷に撃たれたように思った

その後説明を聞くと、直接妊娠出産への影響は無いことがわかった

ただ投薬を含め治療が行えないこと
この病気が進行性であることが告げられた

私は出産をしたいと医師に告げた

医師は困惑しながらも、
「これは賭けです、非常に勝率の低いものです。オススメはできません、しかし、あなたのご決断ならば、私たちは最善を尽くしましょう」

そう約束してくれた

零には話せない、零の重荷にはなりたくない。黙っておこう
わたしはそう決めていた