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29章:ひと夏の恋 (1/31)

29章:ひと夏の恋

ドス







鈍い音がした。



あー



私が倒れるのかな。



世界がゆっくりと流れている。



あれ?



あなたが視界からいなくなる。



痛い?



痛みなんてない。



体が重い。



まるで無重力。



無重力なんて感じたことはない。



テレビでみるあの感じ。



スローモーション。



どんどん沈んでいく。



あなたが泣いている。



涙がほほに落ちた。



あなたが上にいる。



ほほを伝うのは



私の涙?



あなたの涙?



怒ったの?



悲しいの?



苦しいの?



何を言ってるの?



あなたの声が遠い。



激しく肩を揺さぶらないで。



私はここにいるよ。



話ちゃんと聞いてるから。



そんなに叫ばないで。



頭が重い。



落ち着こう。



そう言いたい。



言葉にならない。



ドウシタノ?ドウナルノ?



タスケテ。

オネガイ。

ワタシヲコロサナイデ・・・・・

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君依存 ©著者:雅

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