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12章:命運
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12章:命運
大切な人が急に目の前からいなくなるのは、
本当に辛い。
私は、好き勝手やって、現実から目をそらしてた。
だから、罰がくだった。
向き合うことを誓った、あの雨降る夏の日。
あの日のことは忘れてはいけなかった。
もう2度と同じ繰り返しはしてはいけないから。
でも・・・・・・
私は耐えられなかった。
向き合わず逃げてしまったんだ。
この穴を埋めるために、なんだってするんだ。
夜が怖くて、
一人が怖くて、
鳴らない携帯を何度も何度も開いてた。
埋まるはずのない、あなたの居場所は、
他の人でも埋まる。
そう思ってた。
そうやって私は逃げた。
1人のあなたの席を埋めるのに、私は何人と関係をもっただろうか。
それで、辛い夜も、一人も、なんとかもちこたえた。
心があなたを忘れたいと叫んでいて、
考えないように、考えないようにしていた。
だけどね。やっぱり・・・
ふいに流れたCMの音楽。
あなたと一緒にいた時、突然、鼻歌を2人同時に歌った曲だ。
別々に育って、趣味も価値観も違う私達だけど、
同じことを感じあったあの瞬間。
2人顔を見合わせて、
「また同じことした。まねすんな」
って笑ったね。
あの、優しい笑顔。
優しい声。
けらけら笑う、むじゃきな姿。
そうやって、ふとした出来事に、私はまたあなたの残像を思い出しては泣いてしまうんだ。
あなたは今なにしているの?
私のこと考えているのかな?
来るはずのない連絡をどこかで期待してたんだ。
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