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8章:本当の愛情
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それから少しして、私は道明が借りてくれたマンションに住むことになった。
実家のマンションに一人残ったお母さんには、道明がヘルパーを雇ってくれて、家事から精神面までの全ての面倒をみてもらっている。
私がこれ以上、母親に苦しめられるのは耐えられないから、という道明の気遣いからだった。
道明は本気で私を愛してくれているようで、ありがたいことなのだが。
私は私なりに、これからも復讐を続けるつもりだった。
お母さんは、私に当たることでストレスを発散しているようがったが、私はいつか元のお母さんに戻ってくれると…今でも期待している。
道明は、私が一人暮らしをすることで、毎日堂々と部屋にいられて嬉しいと言った。
慌ただしくホテルで過ごさなくても、ゆっくりと朝から晩まで私と過ごせると、満足そうだった。
食事は近くのフレンチに行ったり、寿司を食べたりと、贅沢させてくれる。
カードも持たせてくれて、ある程度好きな物は手に入る。
ほとんど道明の妻のような立場だったが、道明は離婚することは出来ない。
飲食店経営をして、自分はほとんど顔を出さずともやっていけているのは、妻の実家の財力のお陰なのだ。
それを易々と棄てるほど、道明も馬鹿ではないし、私もそうされては困るから都合が良かった。
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