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9章:ASTARA〜アスタラ (13/13)

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ポポン!

『フォルダ名[アヤカの1番知りたい問題]の再生が終わりました』


『アヤカ、昨日の日曜日。この後タカラさんは、サナさんと息子さんとジュンヤさんで、[横浜市緑区役所時間外受付]に、婚姻届を提出しました。日本では365日受け付けるのですね。今の所の情報とご報告は以上です。お役に立ちましたでしょうか?』

トトン!


力を失った手が、地面に投げ出された。

ショックなら、今までに立ち直れないぐらい受けて来た。

――今回はそうでは無い。

今まで費やして来た時間は何だったのだ。

(泣き言なんか言いたくない。けど、じゃあ聖は、何の為に私と知り合ったの? 私は何だったの?)

渇きが全てを干して、報われぬ思いだけが交錯した。

真っ暗闇の中で、なす術も無く、空に手を伸ばしても何もつかめない。


「Miri……」


ポポン!

『ご用件は何でしょう』

「――終わったね……もう涙も出ないや」


『アヤカ、あなたが望んでいることは、決して高望みではありません。あなたの夢や希望は天まで届き、星さえつかむことができます。どうせできないからとあきらめないで!』


「Miri……あなたは何処にいるの?」


『あなたがいるところ、どこであれ、それが私のいる場所です。さて、次はどうしましょうか? 何でも、お望みどおりに致します。うふふ うふふ』


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ご用件は何でしょう? ©著者:七斗

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