ホスト,キャバ,風俗等のちょっと大人の無料ケータイ小説!PC,スマホ、ガラケー全対応!

8章:Wish Upon a Star 〜 星に願いを (2/14)

◇◇◇

『ピンポン!』

チャイムが鳴り、聖は腫れてまだ熱をもっている顔を軽く抑えながら、ドアを開けた。


――素肌に赤い唇が輝いている。綺麗だ。まるで沙奈の唇みたいじゃないか。何度も何度も愛おしくて絡めた……あの苺の様な。

(俺は熱のせいで幻を見ているんだ。いや、頭がイカレたか?)



「聖くん……」


思い出の塊が時を超え、すぐそこに現れて……しばしドアを開けたまま立ちすくんだ。


「沙奈……?」


「純から大ケガしたって聞いて……毎日心配で。電話も出られない状態で、今行かなければ一生後悔するぞって、車で連れて来てくれたの。私もどうしても無事を確認したかった。ごめんね。来ちゃって」

眼が涙で潤んでいる。

「コンビニにも行けないって聞いたから……聖くんの好きな玉子焼きとミートドリアを作って来た。置いて帰るから、良かったら食べて。本当に無事で良かった……」


涙を指で拭い、少し微笑んだ。何ひとつ変わらぬ笑顔。懐かしい澄んだ瞳。

ほっとした表情を見せた沙奈が、紙袋を玄関に置いて外に出ようとする。


反射的に腕を掴んだ。


「――嫌じゃなかったら入ってくれ。イヤ、何でもいいから入れ」


本当に手にしたいと願った望みを否定してきた。


もう離さない。


91 /156

※この小説を友だちに教える⇒メール

いいね LINEで送る

ご用件は何でしょう? ©著者:七斗

夜のケータイ小説サイト「ホスラブ小説」
PC,スマホ、ガラケーで全ての機能が利用できます!

Copyright © hostlove.com All Rights Reserved.