7章:Fairness 〜 公平さ (2/20)

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週が明け、聖は有明の高層ビルの建方応援に入った。しかし週中の水曜日になっても、これという変化も無く、彩香は焦る。


――このままだと、沙奈さんに会いに行ってしまう。結納を覆すくらい強く愛したそのひとの所へ。


「Miri、何か良い方法は思い付いたのッ？」

昼休みに、会社前に積み重ねられた資材の陰に隠れながら尋ねた。



ポポン！

『アヤカ、私は風が吹くのを待っているんですよ』

「風が吹くとどうなるの？」


このMiriPhoneの機能には、詳細な時間毎の天気情報ソフトも搭載されており、次の日の天気を聞くと、たちどころに情報画面を開いた上に『レインコートを忘れないでくださいね』だの『夕方には雨は上がるでしょう』やら、アドバイスも一緒にくれるのだ。



『それは機密事項です。何通りかのアイデアがあるので、結果が出たらお知らせします』



何度も［聖が怒られず、そして会社に迷惑をかけない方法］と念押ししてある。大丈夫だろう。


とにかくなんとか阻止をして、道を探らなければ……