6章:Freedom 〜 自由 (2/15)

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Miriがアルバムを開き、沙奈の写真を見た日……

彩香は自らの予想を覆らせた結果に、妖しく心のタガが外れる。

(全然、聖に相応しくない……何？ この平凡なひと)

Miriが写真を間違えたのではないかと思ったくらいだ。


ポポン！

『アヤカの方がずっとキレイですよ。自信を持ちましょう。奇跡的な解決策が必ず出てくるはずです』



Miriに煽動されて、日曜日を待った。

「今、聖はどこに？」

『位置情報を確認します――横浜駅に着いています。高島屋デパート方面に向かっています』

「とにかく沙奈さんとのいきさつを詳しく知りたいの」

『わかりました』

「そこに聖と前の様に戻れるヒントが有るかも知れない……」

『アヤカ、人間には知らない方が良いこともありますよ。それでも知りたいですか？』

「知らない方がって……？」



『歴史と思い出は変えられません』



「――でも知りたいの」

『わかりました。お役に立つことが私の使命です』

何か……何かきっかけさえあれば、聖の愛を取り戻せる。

写真を見た時に、そう認識した不確かな［何か］が彩香を押したのだ。