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8章:第八章 (2/11)

夏真っ盛り。



しかし『JURIAN』にはお盆休みはない。



いつも通り平常営業である。



その晩は、僕のお客様が3組重なり、時間を決めて移動しながら仕事をしていた。



深夜2時を回った頃だった。



5人の若い男が来店し、僕の斜め前の中央の席を陣取った。



かなり酔っている様子。



中に入れる前に断れば良かったのだが、新人が分からないまま席に通してしまったのだ。



悪しくも、雅樹さんが休暇を取っていたので、主任のコウジさんが付く事にしたようだ。



「いらっしゃいませ。焼酎はJINROになりますが宜しいですか?」



「ああ。割物は烏龍茶」



真ん中に座った金髪を派手に盛った男がぶっきらぼうに言った。



ルイが買い物に出ていた為、コウジさんがお通しや飲み物をセットすると、またその金髪男が口を開いた。



「誰も付かねーでいいから」



「はっ?」



「聞こえねーのかよ。誰も付かねーでいいってったの。俺達はホスト。今日から盆休みでね。ここに、その辺の女より遙に綺麗なボーイがいるって聞いて拝みに来たのさ」



男共はニヤニヤと嫌らしい笑いを浮かべている。



僕はすぐさまルイに電話をかけた。



店に戻るなと言うつもりだった。



しかし、それは無駄に終わった。



着信音が鳴る前にドアが開き、ルイが帰って来てしまったのだ。



僕は電話を切るしかなかった。



「遅くなりました〜」



男共の視線は一斉にルイに注がれた。



「ウッヒョーッ!噂以上じゃん」



「マジかよっ!」



「すげー美形!」



男共は興奮仕切っている。



「おい、コイツを付けてくれよ」



「申し訳御座いません。この子はボーイですので.......」



「ああ、そう」



コウジさんが断ると、以外にもあっさりと金髪男は引き下がった。
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ルイ ©著者:僚

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