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7章:第七章 (5/5)

「これなら、家の前でも出来るよ」



「どうして?」



「ぶら下げて火を付けると、火の玉が出来て、パチパチ小さな火花が出るだけだからさ。すぐに落ちてしまうんだ」



「じゃあ、これもやっちゃおうよ」



「そうだな、折角だ」



僕達はアパートの隅で線香花火を手にしゃがみ込んだ。



「ルイ、どっちが長持ちするか競争しよう」



「うん♪負けないよ」



同時に火を付けると、手元で線香花火がパチパチと音を立てて火花を出した。



「僕は、さっきのよりこっちの方が好き」



ルイはそう呟いて僕を見た。



.....えっ.....何故? 



.....どうした、ルイ?



.....何でそんな悲しい顔をする?



線香花火競争はルイの圧勝だった。



「さあ、これで終わりだよ」



最後の2本を1本ずつ手に火を付ける。



すると、ルイは僕の花火の火の玉に自分の花火をくっ付けた。



「夢也.....体は結ばれなくても、この花火みたいに、僕達の心がひとつになれたらいいね」



.......ルイ.....?



まさか、愛してるって本気で言っていたのか?



.....僕は.......僕はどうなんだ?



.....分からないよ、ルイ.....。



無情にも線香花火の火の玉はポトリと落ちてしまった。



「夢也、また固まってるの?ほんと堅物だなぁ。部屋に帰ってテレビでも観ようよ」



「あ、ああ」



返事をして立ち上がったものの、さっきのルイの言葉が頭から消える事は無かった。
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ルイ ©著者:僚

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