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4章:第四章 (2/6)


翌朝、とはいえお昼に近い時間だったが、トーストをかじりながら僕はルイに聞いた。



「君がいた養護施設は何処にあるの?」



ルイはまだ眠そうな声で答えた。



「んっとねぇ.....横浜」



横浜か.....。



杏子さんが大好きだった街だ。



「施設の名前と電話番号は覚えてる?」



「僕がいたのは『愛聖園』っていうとこなの。愛に聖に園ね。電話番号は忘れちゃった。でも、何でそんな事を聞くの?」



ルイは不思議そうに僕を見た。



「ルイをちゃんと預かりましたって報告をするんだよ」



「園長先生は僕の事を覚えてるかなぁ?」



「覚えてるに決まってるさ。さてと、これを食べ終わったらちょっと出掛けて来る。夕方には戻るから」



「何処に行くの?」



不安げなルイに、僕はテレビのリモコンを渡して言った。



「仕事の打ち合わせだよ。僕が帰るまで好きなだけ観てていいからね。それと.....これ」



「なぁに??」



「iPodっていうんだよ。いっぱい歌が入ってるから聴いてみるといい。それでも退屈したらお昼寝しなさい。寝不足なんだから」



「うん、分かった。歌がたくさん聴けるなんて夢みたい♪」



「僕が帰るまで、おとなしくしているんだよ」



「はーい♪」



多少の不安はあったが、僕はルイにiPodの使い方を教えて家を出た。



携帯で『愛聖園』の番号を調べるとすぐに分かった。



道路の端に寄り、早速『愛聖園』に電話をかける。



次の犠牲者を出さない為には、ルイの事を伝えるしかなかった。

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ルイ ©著者:僚

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