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3章:第三章
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「ねぇ、夢也。テレビを観せてくれない?」
「テレビ?こんな夜中に?」
「うん。宮沢の家では朝のニュース以外、テレビは禁止だったの。パソコンはお父さんの部屋にあったけど、それも禁止だった」
「それじゃ、暇な時間は何をしていたんだい?」
「大抵、本を読んでた。後は油絵を描いたり、クラシックのCDを聴いたりしてたの。週に一度バイオリンの先生が来て習っていたよ」
今時、そんな少年がいるだろうか?
宮沢は何を考えていたんだろう?
「でもね、僕は色んなテレビを観たいし、歌だって覚えたいの。携帯だって使ってみたい」
そうか.....携帯なんて、勿論持たせてもらえなかったよな......。
「スクーリングの時ね、皆の話を聞いて知ってるの。でも、その前に、仕事と住む所を見つけなくちゃね。ごめんね、夢也。今夜だけ泊めてくれる?」
「ああ、いいさ。着替えを持ってるなら、シャワーを浴びておいで。テレビを観ながら寝たらいい」
「ありがとう♪」
ルイがシャワーを浴びている間、僕は考えに考えた 。
とても悪い子には思えないし、行く宛ても無いなら暫くここに置いてやろう.....いや、厄介な事になるだろうか.....。
サッパリとしてパジャマ姿で現れたルイは、幼くて邪気の無い天使にしか見えない。
僕の心は決まった。
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