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91章:新事実
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91章:新事実
毎日同じ事を繰り返し
毎日同じように息をし続け
毎日同じように生きている
最低限の生活費だけを稼ぎ一人部屋の中に閉じこもりユーリを抱きながら映画を見る。
私はこのまま孤独死するのだろうか…ならばこの小さな命と共に死にたい。
エンディングが流れ終わり画面が真っ暗になった。 部屋の静けさがより一層増しテレビをつけようとリモコンに手を伸ばすが届かない。
ユーリが私の胸元で眠っている為動けずにいた。
私は諦め静寂の中ただ時計の秒針の音だけを聞いていた…
あの頃なら…今ごろ庭先に低いマフラーの音が響き渡る時間だ。しかしあの音はもう二度と聞く事は出来ないだろう。
するとソファーに投げ捨てていた携帯が鳴り響く。酷く耳障りに聞こえたのだろう。ユーリが耳を塞ぎ寝返りをうっていた。
私も耳を塞いでしまいたいくらいだ。
携帯の着信履歴にはシンさんと書かれていた。
あれから彼らとは疎遠になっていた…
私『もしもし…』
シン『俺だ。』
私『ご無沙汰してます…』
シン『今…大丈夫か?』
シンさんの声はとても低く落ち着いていた。恐らく全て事情を知っているのだと悟った。
シン『悪かった。』
私『何故シンさんが謝るの…?』
シン『あいつの浮気相手…俺の妹なんだ。』
私『…ぇっ?』
正確にはシンさんの父親は再婚で相手の奥さんの連れ子。それがあの あい って女だった。
それは彼が言うに偶然だったらしい。
私とタカヒロが出逢うずっと前の事…
タカヒロが付き合った彼女はとてもトラブルの多い子だった。
援交に風俗、遊び人で夜はフラフラと出歩いてるただのアパズレのクソガキ。
そんな彼女もきっと魅力はあったのだろう。タカヒロと出逢い彼が救ったのだ。 兄貴のような存在のタカヒロに、あの女はかなり惚れてたらしい。
それがシンさんの妹だと知ったのは大分後の事らしい。
シンさんは早くから一人暮らしをしていて妹はおろか家族とすらろくに顔も合わせなかったとか…
複雑な事情により家庭環境も悪くシンさんは妹だと思った事は一度も無いと冷たく言い放った。
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赤いカーテン ©著者:姫
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