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87章:停止 (1/2)

87章:停止

タカヒロは仕事に行きある晴れた日の事だった。

私は布団を干す為に寝室に行きベランダに出ると冷たい風が室内に入り込む。

洗濯物がユラユラと揺れていた…


すると彼のデスクが少し開いているのに気付く。私が何気なくその引き出しを閉じようとすると中に婚姻届が入っているのに気付いた…


一瞬目を疑い引き出しを開けるとそこには既に彼の名前がサインされている。いつの間に…


私はその薄っぺらい紙を手に取った。
こんな紙切れ一枚で夫婦になるのか…


そして婚姻届を戻そうとしたその時だった…


引き出しの中にピンク色の可愛い封筒が入っていたのだ。


私『何だろう…』


その封筒の裏には女の子の字で【あい】と書かれていた。


私『あい…あいって誰やねん。』


独り言を言う私を眠そうにコタツから出て来たユーリが目をシバシバさせながら見つめる。


気になる。しかしそこは彼の仕事用のデスク。私がいじくるのは良くない。


好奇心と不安感に包まれ、私はとりあえずその封筒を元に戻した。


気分を変える為、早めにスーパーへ向かい晩御飯のメニューを考えながら頭から封筒の事が離れなかった。


帰宅した私は布団を取り込み洗濯物を畳むと彼の出張の時に着ていたスーツをクリーニングに出すのを忘れ再び家を出る事になってしまった。

何時ものように手際よく行う家事が今日は上手く進まない。 車に乗り込みクリーニング屋の駐車場に到着するとスーツのポケットに物が入ったままになっていないか確認をしながら車を降りる。


店員『いらっしゃいませ〜!』


ガラスの自動ドアが開いた時、クリーニング屋の綺麗なお姉さんと目があった。そして私が抱えていたスーツのポケットに何やら紙が入っているのを見つけた。

タカヒロは時々大切なメモなどを入れたままにする時があるのだ。


店員『スーツですね〜?』


私『はい。お願いします。』


店員とやりとりをしながら何となくその紙きれを見ると…


静岡県伊豆市のレシートが入っていた。日付は彼が出張に行っていた日だ。しかし…


彼が出張に行ったのは静岡県ではない。神奈川県横浜市のはずだ…

なのに…なぜ?
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赤いカーテン ©著者:姫

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