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84章:男ってやつ
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84章:男ってやつ
お正月休みも終わりまた何時もと変わらない日々が始まる。週末になればタカヒロが家に来てまったりとした時間を過ごす。
そして平日は別々の家で生活をする。
寝る前には必ずおやすみと連絡をくれる。
そんなある日の事…久しぶりのユキちゃんからの連絡に私は都内に向けて車を走らせた。
私が一番辛かった時、何時も笑顔でそばにいてくれた彼女。 水商売を始めかなり雰囲気的にも落ち着いてきたようだ。
ユキ『ねぇさんタカヒロさんとはどうなの?』
私『ん〜まぁ別に普通かな♪平凡にやってますよ。』
彼女とは離れている間にメールのやりとりを頻繁にしていたのでタカヒロとの事も全て知っていた。
ショップの買い物袋を沢山置いた椅子の隣に座る彼女はココアを飲みながら微笑んでいた。
彼女の好きな渋谷の街は人で溢れかえり私たちは窓の外を眺めていた…
ユキ『一緒に暮らさないの?』
私『うん。』
ユキ『姉さん心配じゃない?』
私『なにが?』
ユキ『ミヤが昔言ってたんだ。タカヒロさん凄いモテるみたいだよ。会社でも人気者みたい。』
私『へぇ。女が好みそうな顔してるもんね〜!』
ユキ『せっかく今日来たんだから家行ってみなよ!内緒でさ!』
私『10代じゃあるまいし。そんなん出来ないよ。』
ユキ『年齢じゃないよ姉さん!彼女ならそのくらい当たり前っ!』
私『そうかな…プライバシーは守りたいけど私なら。』
ユキ『姉さん!男なんて隙あれば火遊びするんだよ!見張ってなきゃ!』
ユキちゃんの真剣な表情に私は微笑み返しコーヒーを飲みながら窓の外を眺めた。
沢山の人々が渡り歩く交差点…
私は相手に依存する事を避けているのかもしれない。
亮が浮気をするなんてあの頃は考えもしなかった。安心しきっていたし信頼していたからだ。
束縛もしない。しかしそれが相手を不安に思わせてしまっていたのだろうか…
自分勝手な話だ。強い束縛は嫌われるのに、全く束縛しない事を不安に思う。
男とは一体何なのだろう…
ユキちゃんは水商売を始め色々な事を学んだと私に聞かせてくれた。
今では彼女のほうが私にアドバイスをする立場へと変わっていた。
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赤いカーテン ©著者:姫
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