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74章:ダチ
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74章:ダチ
雨の降る冬の季節…
近頃ユーリはこたつの中から一切出て来なくなった。
お腹を出し爆睡している姿は可愛くてたまらない。
何時までも長生きしててくれればいいのに…
最近のユーリは歳なのか寝てばかりいた。
部屋でパソコン作業をしていると私の携帯のメール着信音が鳴り響く。
時刻を見るとタカヒロはまだ仕事の時間だ。ユキちゃんかなと思いメールを開いた。
ユキちゃんとはあれからメル友となっていた。
しかし…そこに書かれたのは懐かしい人物だった。
ユウキ…
亮とタカヒロの仕事仲間で馬鹿で面白くて最高の男。
【美月さん、お久しぶりです。お元気ですか?】
ユウキからのメールは私を切ない気持ちにさせた。
馬鹿みたいな笑い方をする彼の顔を思い出す。隣で笑うタカヒロと…亮…。
あの頃の私たちを思い出す。
私【ユウキ久しぶり。ごめんね。散々心配かけたよね。元気だった?】
ユウキ【元気ですよ!俺らは相変わらずです!亮さんから聞きました。美月さんは大丈夫?】
私【私は大丈夫だよ。】
【俺ら】それは…タカヒロと亮の事だ。心がズキンと痛む。
ユウキ【今、電話とか出来ます??】
ユウキの声を聞くのは本当に久しぶりだった。
冷たい雨が降り注ぐ庭を眺めていると私の着信音が鳴った。ユウキからの電話だった…
私【もしもし。】
ユウキ【お久しぶりです。】
私【ご無沙汰してます…。】
彼はあの時と変わらね笑い声を聞かせてくれた。
ユウキ【ははっ!美月さんらしくないよ!そんな畏まってさ!】
私【元気そうだね。良かった。】
ユウキ【今どこにいるんすか?】
私【東京離れたんだ。一人で暮らしてるよ。】
ユウキ【何があったんすか…】
私【色々だよ。でも、嫌いで離れた訳じゃないから。】
ユウキ【タカヒロさんは最近彼女出来たみたいですよ。】
私【それ本人から聞いたの?】
ユウキ【亮さんから。最近様子がおかしいって。】
もし、あの時に家の庭にギラギラと差し込む太陽の光が照らしてたら?今より少しは心が楽になったのだろうか…
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赤いカーテン ©著者:姫
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