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68章:子供
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68章:子供
彼の腕の中で眠りにつき数時間程経過した時だった…。
キャハハハハ…
フフフ…
人の笑い声に目がさめる。
秋を迎えようとする深夜の空気は冷たくいつの間にかユーリが入り口のドアの前に座っていた…
扉の向こうの声に反応している。
隣ではタカヒロがスヤスヤと眠っていた。私は起き上がり近くにあった彼のTシャツをきるとユーリを抱え再び布団に入った。
フフフ…
アハハハハ…
ドンドンドンドンドンドン
まただ。ユーリは直ぐに反応し耳を立てながらドアの向こうを見ている。
その声は沢山の子供たちが遊んでいる声だ。ドタバタと階段を上り下りし走り回っている。
勿論、この家には子供なんて居ない。
ましてや時刻は深夜2時…子供の声が聞こえるはずかないのだ。
私が昔、祖父の家で体験したのと同じだ。
フフフ…
ドタバタ…ドンドン
するとその音はピタッと止まった。
ほっとし私はドアを気にしているユーリを抱き締め再びタカヒロの腕に頭を置いた。
徐々に眠気に襲われ目を瞑ろうとした時、急にユーリが起き上がり布団から出ると顔をドアに向けて覗きこんでいた。
じーっと真剣に見つめ耳を必死に動かしている。その時…
コンコン…
私たちのいるこの部屋をノックする音だった…。
息を飲み硬直していると急にユーリが布団から飛び出してしまった。
私は捕まえようとしたがすり抜けたユーリはドアの前でじーっと何かを見ている…
ドンドン!!
まただ…先程よりも強く叩いている。
私はタカヒロを必死に起こすが中々起きてくれない。
ガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャ
すると勝手にドアノブが音をたて上下に動き出したのだ。
私『タカヒロ!!起きてお願いっ!!』
その時だった…
ガチャ… キィー…
何と閉まっていたはずのドアが開いたのだ。向こう側は真っ黒で何も見えない。 冷たい空気だけが流れ込んできた…
すると温厚な性格のユーリが髪を逆立て唸っている。
その途端、
ヴーーー!!ヴァー!!
大声を発し何かを追い掛け部屋を飛び出してしまったのだ!
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赤いカーテン ©著者:姫
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