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62章:幸福な時間
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62章:幸福な時間
翌朝…照りつける太陽の光の眩しさに目が覚める。
ゆっくりと瞼を開けるとタカヒロが私を見てニヤニヤと笑っていた…
私『びっくりした…何見てんのよっ!!』
タカヒロ『可愛い。女の寝顔見るのは久しぶりだ。』
私『見ないでよ。寝顔見られるのは好きじゃないの。』
彼はクスクスと笑いながら布団に隠れる私をからかっていた。
こうやって男の人と朝を迎えるのはいつぶりだろうか…
何時もなら目が覚めるとユーリの顔面が目の前にあり鼻息がふりかかる程の近さに驚きながら起床する。
タカヒロ『おはよう。良く寝れた?』
私『うん…。』
タカヒロ『いい天気だな。』
起き上がろうとする私を引き止め腕を掴み寝かせると彼は体を起こし優しい目で見つめていた。
あまりの近さに心臓の鼓動が早くなるのを感じる。
すると彼は私に顔を近付けてきたのだ。
思わずギュッと目を瞑ると、フフっと鼻で笑いおでこに唇の柔らかい感触が伝わった…
目を開けると彼は優しく微笑み、起き上がるとソファーに座りタバコに火をつけていた。
内心、口にキスをされそうになり恥ずかしさと罪悪感で私の体温は一気に上昇していただろう…
良く晴れた日曜日の朝、私は顔を洗い洗濯機のスイッチを入れる。
何時もと変わらない朝。
しかし今日は少し違う。タカヒロと同じ屋根の下にいる事が不思議に思えた。
タカヒロ『腹減ったな。』
私『ご飯にしようか。何か作るね!』
タカヒロ『俺作ってあげるよ!材料ある?』
私『えっ!?本当に?』
タカヒロ『俺も一人暮らし長いからね。その位出来るよ。』
すると彼は冷蔵庫を確認すると、材料を取り出し朝食を作りはじめた。
男性がキッチンに立つ姿は、あまり見慣れない。
手際良く作業を進める男性の姿に、悪く無いなと思った。
私は軽く掃除をすると中庭に出て布団と洗濯物を干していた。
タカヒロ『すげー!中庭なんかあんの!?』
彼の声に驚き後ろを振り返るとドアの所であたりをキョロキョロ見回していた。
私『びっくりした!!』
タカヒロ『いいなこの家!!』
するとユーリがタカヒロの足元から飛び出ると芝生を駆け回り遊んでいる。
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赤いカーテン ©著者:姫
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