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50章:暗闇の武士
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50章:暗闇の武士
これはタカヒロが昔住んでいた祖父の家での出来事です。
小さい頃から祖父に育てられ、昔から不思議な体験をしてきたと話してくれました。
彼も私と同じく霊感のある持ち主らしくまだ学生だったころタカヒロの友人が遊びに来た時に体験した話です。
夜中に友達が来る事になり彼は友人を迎えに行き自分の家に連れて来た時、その友人は直ぐに玄関にある異様な光景に気付いた。
友人『なぁ…これ盛り塩じゃないか?お前の家なんでこんなんやってんの?』
タカヒロ『あぁ爺さんがね…昔の人だから。気にすんなよ。』
友人は不思議に思いながらタカヒロの部屋で酒を飲みながらバイクの話や女の話で盛り上がっていた。
途中トイレに行こうとタカヒロに説明された場所に向かい、真っ暗な部屋を通り抜けた。
一番奥に洗面台の鏡が見え、その先にあるお手洗いで用を済ますと洗面台の電気をつけ手を洗い流し軽くヘアスタイルをなおしていた時…
真夏の蒸し暑い空気は一変し急に冷たい空気に包まれ殺気を感じ後ろを振り返りました。
しかしそこには何もいない。
ただ暗闇に包まれた廊下が見えるだけでした。
友人は何か気持ち悪いなと思いながらまた鏡にうつる自分を見た後、洗面台のライトを消した瞬間…自分の姿がシルエットのように鏡にうつしだされその背後に戦国時代の武将のような男が斧のような武器を自分に向けて振りかざそうとしていたのです…
うわー!!!
思わず声をあげているとタカヒロは直ぐに駆け付け電気をつけるとその友人は頭を抱えながら洗面台の前でうずくまってたそうです…
部屋に戻った後、友人は彼に先程の出来事を必死に説明し殺されるかと思ったと震えていたとか…
背後にいたのは三角の鎧をかぶり鬼のようなお面をつけ自分を殺そうとしていたと必死に訴えかけタカヒロは冷静にその話を聞き白状しました。
タカヒロ『俺んちさ…出るんだよね。』
友人『えっ?…。だから盛り塩?』
タカヒロ『効果無かったな。』
それからタカヒロの家は出ると有名になり仲間のたまり場となってしまったとか…
あの晩そんな話を聞かされ私は彼の祖父の家でお手洗いに行く時は付いて来てもらいました。
無念に死んでいった昔の武将が今でも浮遊しているのでしょうか…
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赤いカーテン ©著者:姫
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