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48章:訳あり物件
後日…ユキちゃんとお互い都合の良い日を合わせ朝から待ち合わせをする事になった。
翌朝…隣で寝ている亮の枕元に顎をのせ寝ているユーリを撫でながら起き上がり朝食を作っていると不機嫌そうな顔をしながら亮が起きてくる。
私『おはよ。』
亮『おはよ…』
顔を洗うと眠そうにソファーに座りコーヒーを飲みながら新聞を読んでいる彼に先ほど作った朝食を出した。
私『今日はユキちゃんと部屋探ししてくるからね?』
亮『ふ〜ん。何時に出るの?』
私『9時に駅近くのレストランで待ち合わせ。』
亮『帰り遅くなんなよ。』
私『大丈夫だよ。』
亮『…。』
私『なに?』
亮『本当にユキと行くの?』
私『亮最近おかしいよ?嘘ついてどうすんの?』
亮『行ってくる。』
結局彼は軽く朝食を済ませると出勤してしまった。
最近の亮は何時も私を疑い信じては貰えない。
それは私自身の問題では無く、彼自身の問題だ。
ユキちゃんとの待ち合わせ場所に行くと彼女は窓際の席でタバコを吸っていた。
私『いつから吸ってんのかな?』
ユキ『わっ!びっくりした姉さんか。キャバ始めてから吸うようになっちゃった。』
私『体に良くないよ?』
ユキ『姉さんだって〜!!』
私『確かに。』
彼女の笑い顔はまだあどけない幼さが残っている。
しかし出会った頃の面影は消えつつあった。それは少し寂しい気持ちにさせる。
しかし、ミヤと別れた今、前向きに強く生きてる彼女を誇りに思う。
もし自分だったら…私はどうなってしまうのだろうか…
楽しく会話をしながら朝食を済ませるとユキちゃんの進める不動産屋を目指す為に電車に乗り込んだ。
彼女が住まいにしようとする場所は都会からは離れた少し田舎町だった。
家賃が安いという理由から選んだらしい。駅は近いので通勤にも便利だ。
駅周辺には昔ながらの商店街が並んでいる。
その一角にあったのは個人経営の小さな不動産屋だった…
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赤いカーテン ©著者:姫
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