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46章:傷
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46章:傷
タカヒロの告白から1ヶ月…私は答えを出せずにいた。
何かが壊れてしまうのが怖かったからなのかもしれない。
しかし何時までも悩んでる訳にはいかなかった。
亮は私と長年連れ添った相手。こんなにも自分を理解してくれる相手とは中々出逢えないだろう。
しかし私は亮との将来が全く見えていなかった。
それは相手が亮だからなのか私自信の問題なのかはわからない。
例え彼と結婚したとしても、これから先何も変わる事は無いだろう。
タカヒロはとても優しく勿論気も合う。一緒にいて安心する頼りがいのある男だ。
私は決断しタカヒロに一本のメールを送信した…
私【今日、仕事終わってから二人で会える?】
タカヒロ【大丈夫だよ。6時に仕事終わります。】
彼と待ち合わせをしたのは会社から少し離れた落ち着いた雰囲気の喫茶店だった。
私は少し早めに家を出て喫茶店に向かうと珈琲を注文し、読みかけの小説を開いた。
こうやって彼と二人きりで待ち合わせをするのは初めてだった…胸がドキドキし緊張する。
こんな気持ちになったのは久しぶりだった…
夕方…6時を少し過ぎた頃に彼は現れた。仕事帰りのスーツ姿。亮とはタイプが違いまだ職人のころの雰囲気が残っている。
タカヒロ『お疲れ様。待たせちゃったかな?』
私『大丈夫。少し早めに来たの。』
タカヒロも少し緊張しているようだった…
彼も珈琲を注文するとゆっくりと溜め息をついている。
タカヒロ『答えを…聞かせてくれないか。』
私『1ヶ月も経過しちゃったね。遅くなってごめんなさい。』
タカヒロ『それは構わないよ…。』
私『驚いたけど、嬉しかった。でも…
亮を一人には…出来ないかな。』
彼はゆっくりと溜め息をつき悲しそうな表情をしていた。
タカヒロのあんな顔、見るのは初めてだった。
タカヒロ『わかってたよ。美月は優しい子だからね…ありがとう。』
もし、タカヒロが亮の知り合いとかでは無く、一人の男として私が出逢っていたら…私は同じ決断をしたのだろうか…。
タカヒロ『これからも、友達として仲良くしてくれよな。気なんか使わないでいいからさ。』
私『うん…そうだね。ありがとう。』
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赤いカーテン ©著者:姫
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