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44章:霊道
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44章:霊道
祖父の家はとても古く私は小さい頃からこの家で不思議な体験を何度も経験していた。
霊感のあった祖母はこの家は霊道なんだよと幼い頃に言っていた…
霊道とはその名の通り霊の通る道。
霊が集まる家なのだと教えてくれた。
私は幼いころ不思議な体験をしてからあの家に泊まることを極力避けてきた。
祖父や祖母のお葬式の後も、家族を残し私だけ自宅に帰宅するほどだった。
あの家で恐怖体験をするより自宅で一人で過ごすほうがマシだと考える程に私はあの家を避けていた。
祖父の家に到着した頃にはすっかり日没が過ぎていた。
ここに訪れたのは何年ぶりだろうか…
幼い頃は毎週のように遊びに来ていたこの家には思い出が詰まっていた…。
ピンポーン…
叔母『開いてるから入ってー!!』
私『おじゃましま〜す。』
懐かしい匂い…懐かしい雰囲気…
今でも居ないはずの祖母が顔をクシャクシャにしながら出迎えてくれるような気持ちになる。
亡くなってから何年経過しても実感が湧かない。それは祖父たちと同居生活をしていなかったからなのだろうか…
キッチンからエプロン姿の叔母さんが出てきた。
叔母『まーまー久しぶりだこと美月!!』
亮『どうもお邪魔します。初めて美月さんとお付き合いさせて頂いてます。』
私『亮君だよ。』
叔母『まー随分身長高いのね〜!いつも美月がお世話になってます。こんな所ですがゆっくりなさって下さい。』
叔母は母とは違いかなり礼儀正しい。
正座をし亮に挨拶をすると亮も正座をしお互い頭をさげていた。
うちの母とはその辺が違う。
お堅い家に嫁に行った経験のある叔母はそういった礼儀をきちんとする習慣が身に付いているのだ。
叔母『今ご飯作ってるから、待っててね!』
亮『すみません気つかわせてしまって…これ、良かったら。』
私たちは家に来る前にお菓子と叔母の好きなビールを買ってきていた。
叔母『あらっ!あんたビールって!』
私『一番の好物でしょ?』
叔母『ピンポーン!』
私は仏壇にお菓子を供えると手を合わせキッチンに向かった。
母が幼い頃に過ごしたこの家は祖父が祖母の為にコツコツと改築をした為全てにおいてサイズが小さい。
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赤いカーテン ©著者:姫
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