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32章:無人乗車
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32章:無人乗車
会社の人たちと飲むから帰りは遅くなるとゆう連絡が入ったのは夕方を過ぎた頃だった。
亮は最近飲みに行くことが多い。
年末の忘年会シーズンの始まりだ。
帰りは代行で帰るというので私は早めに布団に入る事にした。
ユーリを抱きながら横になると静かな部屋に携帯の着信音が聞こえる。
亮の着信音では無い。めんどくさいなと寝返りをうつとその音は消えてしまった。
そして数分後…また携帯が鳴っている。 先に体を動かしたのはユーリだった。
部屋から出て行ったユーリは携帯のバイブ機能に反応したのだろう。
仕方なく体を起こすと音の鳴る方へ向かった。
リビングでは無い。
帰りが遅くなると言われた払いせにどこかにほんなげてしまった携帯を探すと私の部屋のソファーから聞こえる。
着信履歴をみるとミヤと書かれていた。 私は直ぐにかけ直した。
ミヤ『もしもし姉さん?』
私『なによこんな時間に…』
ミヤ『すみません寝てました?実は社長酔っぱらっちゃって…迎えこれます?』
私『えー!!めんどくさっ!』
ミヤ『そんなこと言わないで…』
私『変わってよ電話。』
ミヤ『いやぁ…変われる状況じゃないですよ。』
私『悪酔いするなんて珍しいね?何かあったの?』
ミヤ『さぁ…とにかく来てあげて下さいよ。悪い虫ついてますよ?』
私『は?』
意味がわからずとりあえず場所を聞いてタクシーで向かうことになった。
部屋着のままで出るわけにいかず身嗜みを整え向かった先は比較的庶民的な居酒屋だった。
店のドアを開けると若い店員が元気に挨拶をしてくる。年末は忙しいようでスーツ姿のサラリーマンで溢れていた。
その中に見覚えのある顔が見えた。ミヤにタカヒロ、ユウキやバーベキューに来ていたメンバーがいた。
タカヒロ『よー!久しぶり!』
私『お疲れ〜!』
ユウキ『大変っすね美月ちゃんも!』
私『で…どこにいんの?』
ミヤ『トイレから出て来ないんすよ〜。』
私『めんどくさっ!』
私は仕方なくお手洗いに向かい亮を探した。するとそこには便器に倒れ込むスーツ姿の亮に隣にべったり寄り添うカオルの姿があった。
めんどくさっ!
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赤いカーテン ©著者:姫
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