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31章:少年の瞳
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31章:少年の瞳
昨夜だいぶ家の母に飲まされ爆睡している彼を起こす。
私『そろそろ行かないと…』
亮『うん…』
私は亮に濃いめのコーヒーを入れると帰宅準備をした。
寝ている家族を起こさないように置き手紙をするとそっと家を出て車に向かった。
外はまだ真っ暗で田舎の街中に人なんか一切歩いていない。 東京に向けて亮が眠い目をこすりながら車を走らせていた。
ICまで向かう途中の信号が赤になり止まっていると私は違和感に気付いた…
私『あれ…?ここ押しボタン式の信号なのに…』
すると亮の大きな声に私はびっくりした。
亮『おい!美月!あれ…』
彼が指さす方向には…大きな公園があり沢山の木々がそびえ立つ真ん中に街灯がありその真下にしゃがんでる小さな男の子だった…
その瞬間ゾワーっと全身鳥肌がたち冷たい空気が車内を包んだ…
亮『あの子…昨日の山道にいた子だ…』
私『やばい…』
亮『え?』
私『車!早く走らせてっ!』
亮『でも赤だぞ!』
私『いいから早くっ!』
するとATの車が何故かエンストしいきなりエンジンがとまってしまったのだ!
亮『まぢかよ…』
私『早くっ!!』
亮『エンジンかかんねーんだよ!』
その瞬間殺気を感じ公園に目線を向けた瞬間…
その男の子は伏せていた顔をあげ立ち上がりこっちを見ていた…
その目が…瞳が…
無い。
完全に目が空洞になっているのだ…
私『キャー!!!』
その瞬間、低いマフラーの音とともにエンジンがかかり彼はアクセルを踏み込みその場を直ぐに離れた。
亮『美月!大丈夫か!?』
私『見た…?今の…目が…』
亮『えっ?目?』
私『目が無かった…』
亮はしゃがみこみ顔を伏せている男の子の姿しかみていないようだ。
しかし確かにあの時坂道で見た男の子だと彼は言っていた。
私たちは足早に帰宅した。しかし先程の恐怖心から一切落ち着くことが出来ず、彼は会社に向かうと私はミヤの家に向かいユキちゃんとその日は過ごした。
夜になると亮が迎えにきてくれ翌日…亮のランクルと私たちは念の為お祓いをうけることになった。
そして住職さんは車につけるようにとお守りをくれた。
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赤いカーテン ©著者:姫
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