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29章:信頼と信用
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29章:信頼と信用
亮の会社の従業員と夏の終わりに千葉県の某所でバーベキューをすることになった時のことだ。
勿論、参加メンバーには私の知らない人も沢山いる。むしろ私は彼の会社には何の関係も無い。
一緒に連れて行くと言う彼に私は頑固として拒否をした。
私は嫁でもなければ家族でも従業員でもない。
しかし彼は私を連れて行くという意見を曲げることはしなかった。
ミヤも勿論一緒の為、私は渋々ついて行くことになった。
参加メンバーは彼の会社の受付の子や事務員の若い女の子数人、そして他の会社に勤務する付き合いのある仲のいい職人の若い男の子と15、6人ほどはいただろうか…
ミヤは遅れて来る為、私は亮と二人で現地に向かった。
静かな浜辺にはあまり人もいない。
プライベートビーチのようなその場所で行うことになった。
職人の一人がサーフィンをしていて穴場スポットを紹介してくれたらしい。
現地に到着すると既に殆どの人が到着していた。年齢層はかなり若い。私とたいして変わらない同年代の人ばかりだった。
事務員の女の子は亮を見つけると満面の笑みで手招きをした。
女の子『社長〜!こっちこっち!』
亮『悪い。出遅れたな!』
男の子『えっもしかして彼女さんですか!?』
私『どうも。初めまして。』
亮『美月だ。宜しくな。』
男の子『珍しいですね〜社長が女の子連れて来るなんて!』
事務員や受付の女の子はソワソワしながら私を下から上まで眺め、なる程この子がね〜とゆう感じで見ている。
だから私は嫌だったのだ。私は女の嫉妬や意地やプライドみたいなめんどくさい社会が大嫌いなのだ。その点、男性はシンプルだからこそ付き合いやすい。
他の人たちは私を亮の隣に座らせ気を使い何もしなくていいからとお酒やお皿を用意してくれている。
私は愛想笑いをしながら職人さんたちと会話をしていた。
女の子たちはせっせと野菜を刻みバーベキューの準備をはじめ汗だくになりながら男たちに出来上がった肉を配っていた。
ここに集まる人はみんな独身者。いい所を見せようと必死に私がやる私がやると遠慮しながら自分のアピールをしているようにしか見えなかった。
めんどくさ。
心からそう感じた。
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赤いカーテン ©著者:姫
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