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12章:彼の恐怖
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12章:彼の恐怖
この話は心霊でも無い。幽霊的な話は一切ありません。しかし彼にとっては恐怖だったようなので少し中休みにお書きしたいと思います。
私は実家にいたころまだうまれたての子猫をひろい飼っていました。実家を出た今、家族から送られてくる写真のみ。なかなか溺愛していた家族同然の猫に会うことが出来ずにいました…
彼は朝早く出勤し帰宅が遅い為私は寂しく一人で過ごす日が多々あった。彼にそれとなく聞いたのだ。
私『ねぇ、亮は動物嫌い?』
亮『好きでも嫌いでも無い。』
私『ペット飼っちゃだめ?』
亮『動物園に連れて行ってやるよ!』
私『そうじゃなくて!』
軽くあしらわれふてくされる私に意地悪に笑って見せた。
そんな私の楽しみは買い物途中のペットショップに行き子猫を見ることだった。 そして可愛いおもちゃや缶詰めを書い実家に送る。実家に置いてきた猫にあげる為だ。
連れて行きたかったが猫は家につくと言われているとうり、引っ越しや環境を変えることはストレスになってしまうのだ。
ある日、私が部屋でくつろいでいると彼がふと質問してきた。
亮『猫かいたいのか?』
私『うん。』
亮『猫ってあれだろ?部屋傷つけたりするんだろ?』
私『するよ。爪とぎは本能だからね。』
彼は嫌そうな顔をしてそのままパソコンに向かって行った…
なぜ猫が飼いたいのだとわかったのだろう…
そしてある日、いつものように買い出しに向かうと久々にあのペットショップへ向かった。私が一番気に入っていた子猫の飼い主が決まりいなくなってしまっていたのだ…
店員さんはごめんなさいね。飼い主さんが決まってしまったのよ…と残念そうにしている私に教えてくれた。
寂しいな…と気分を落としながら帰宅すると玄関には彼の靴があった。
私『ごめんなさい。今日は帰りが早いのね?』
亮『携帯くらい持っていけ。』
近くのスーパーだからと携帯を置いていったことを思い出した。不機嫌そうな彼に謝りすぐに夕食の準備に取りかかろうとすると彼は不吉な笑みを浮かべ私を呼んだ。
私『なに?その意味ありげな顔。』
亮『メリークリスマス。』
私『ん?』
そして彼はパソコンデスクの下から何やら大きなカゴを取り出したのだ。
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赤いカーテン ©著者:姫
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