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7章:時代 (1/1)

7章:時代

無音無風状態が続いたその時…

『ザッザッザッザッ…』

遠くから何かが聞こえてきた。

それは大勢で行進でもしてるかのような音だった。

その音は徐々に近づき、隣の部屋から聞こえてくるのだとわかった。

そして私の目に飛び込んできたのは一人の兵隊さんが天井からこちらを見ていたのだ…

勿論そこに人が立つことは不可能であり、どんな長身な人でも顔をのぞき込める高さでは無いのだ。
顔は見えないがシルエットのようにわかるその姿は時代を感じさせられる風貌で、兵隊さんが持っているような帽子を被っていた。

まだ若い青年のようだった…

そしてその少年はすーっと消えていなくなり私の体の硬直はふわっととけたのだ…


リンリン… リンリン…

風鈴の音だ…

リンリン…

蝉の鳴く音とともに私は目が覚めた。
あたりは明るくなっていた。

夢だったのだろうか…

そっと隣をみると亮が私の寝顔を見ながらニヤニヤと笑っていた。
その姿を見て私は安藤し、ため息をついた。

亮『人の顔みてため息とは良いお目覚めだな?』

私『今何時?』

亮『7時だ。おはよう。』

私『おはよう。』

亮『悪かったな。昨日寝ちまった。』

私『二日酔いは大丈夫?』

亮『大丈夫。』

そう言って私にキスをするとムクムクと立ち上がり茶の間に向かって行った…

私は服を着替え顔を洗い軽くメイクをしたあと朝食を作りにキッチンへ向かった。

叔父は畑から新鮮な野菜を沢山つんできてくれた。

叔父『悪いね、お客様なのに作ってもらって。』

私『いいぇ。ゆっくりしてて下さい。』

叔父『よく眠れたかい?』

私『はい。ありがとうございます。』

私たちは朝食をすませ一息ついたころ、それとなく隣の部屋のことを聞いてみた。

叔父『あの部屋はね、私の父親の部屋だったんだ。若いころ戦死したんだよ。』

そして叔父は茶箪笥の中から写真を取り出し見せてくれた。
その写真には確かにあの時の青年が映っていた。
顔はわからなかったが間違いないと確信した…

不思議な体験と言うほうが正しいのかもしれない。
何故か恐怖とゆうのは感じなかったのだ。しかし盛り塩がしてあった理由は聞かなかった…

私たちはお墓参りをし、叔父に挨拶をすると都内へと帰宅して行った…
ひと夏の不思議な体験でした。

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赤いカーテン ©著者:姫

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