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1章:出逢い
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1章:出逢い
私は幼いころから…所謂、霊感というものがある。しかし、そういった非科学的なことを世の中には信じない人間も存在する。自分が経験した恐怖体験を、そんなことあるわけないと否定されるのは不愉快そのものだった。だから私はそういった事実を友人は勿論、恋人にも口に出すことは無かった。
あの日、私は友人である直美と友達のタケ、タケの親友である亮という男性と4人で飲み会をしようという事になった。
しかしそれはただの飲み会では無く、直美から強制的に頼まれた飲み会だった。
前からタケに好意を抱いていた直美は何とか交流を持とうと飲み会に誘ったのだ。
女の子を連れて行くからと口実をつけ、自分がタケと仲良くなりたかったのだ。
あまり乗る気では無かった。私は昔から合コンや飲み会というのは苦手で初対面で会話をするのが苦手だったからだ。
必死にお願いしてくる直美に根負けして訪れた飲み会、そこで初めて出会った男が亮だった。
タケと直美は高校の同級生、卒業後…直美とは頻繁に遊んでいたがタケは地方に就職が決まり疎遠になっていた。
電車で都内まで訪れた私と直美は彼らと待ち合わせをした。 駅近くの洒落た居酒屋の個室に入るとタケとその友人は数分前に到着していたようだった。
タケ『おぉ!やっと来たか!』
直美『タケ〜!久しぶり!』
タケ『お疲れ。美月元気だったか?』
私『うん。相変わらず。』
タケ『こいつ、俺の友達の亮だ。』
直美『どうも〜!さっ飲も!!』
私は気難しそうな彼に軽く会釈をし挨拶をすると席についた。
直美はタケに会えた喜びで機嫌が良さそうだった。
タケの友人の亮はとても口数が少なく、耳にはピアスが目立っていて短髪、明るい髪に鋭い目つき…はたからみれば無愛想な怖いあんちゃんにしか見えなかった。
タケは相変わらず明るく気配りをし私や亮に話しかけていたが直美のモーションが凄すぎて少し引いているようだった。
そんな2人の姿を、カクテルをのみながら微笑ましく見ている私に向けられた冷たい目線を感じ、ちらっとタケが連れてきた男を見ると私の顔を見下ろすように眺め、軽く口元だけで笑い目線を落とした。
からみづらいな…この人…
内心そう思っていた。
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赤いカーテン ©著者:姫
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