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4章:夏、彼女と花火。 (1/11)

4章:夏、彼女と花火。

暑い。

窓は朝方から開けっ放し。宿題は一週間で済ませた。暇で、暇でしょうがない。

携帯のスケジュール帳を見た。零は高校祭に向けてのバンド教科合宿だし、瑛は北海道の親戚を尋ねている。律は…まだわからない。

暇と暑さで死ぬより、どうせなら好きな人と一緒にいたかった。

アドレス帳を開き、ま行を見ていく。丁度、律から電話がきた。

「はい?」

「陸?なにしてんの?」

僕は暇で腐りかけていることを伝える。電話の向こうでクスクスと笑い声がしてなんだかくすぐったい。

「よかったら、遊園地行かない?お姉ちゃんが懸賞で当てて4枚あるから、もしよかったら海兄さんと陸と私たちで……どうかな?」

「あー、僕は大丈夫だよ。ちょっと待ってて兄貴にも聞いてみる」

隣から兄貴の声がする。

「もしかしてさ、梨華さんと同時に電話してる?」

ビンゴだった。兄貴は快諾したようだ。日時を聞いた。
「えぇと、今からだって」

え、と思った。その瞬間

「陸!出掛けるぞ、準備しろ!」と、兄貴。

後で会うことを約束し、電話を切った。

まずは寝癖をどうにかするか……
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君が好き ©著者:涼。

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