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21章:生きる選択
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21章:生きる選択
行く宛もなく歩き続け…寒さと疲れからファミレスに入りこれからの事を考えた…温かいコーヒーが冷えた身体を温め…これからどう生きて行けばいいのかを冷静に考えていた…
ふとバッグに目をやった…このバッグは…あの時…サキからもらったお金がある…とっさに中を調べた…
袋の中に入ったお金…あの時のままだった…10万円…とりあえず…寒さと飢えは凌げる…でも…これを使いきったら終わり…
どうすれば…
私は…サキに電話する事にした…弱みを逆に利用しようと思ったからだ…
私は…恥を承知でサキに電話した…
『あらぁ…みかんちゃん久しぶりね…また欲しくなったの?』
『違うよ…実は…』
私は…家での事…追い出された事をサキに話した…
『で…私の家に来たいわけ…あなた変わってるわね…あれだけの事をされて…まぁいいわ…来なよ…泊めてあげる…』
『ありがとう…明日には出ていくから…』
私は…何されてもいい…とにかく今日一晩泊まれたらいいんだから…と自分に言い聞かせた…
サキの家に着くと…あの時と同じ…可愛い笑顔を振り撒いて私を出迎えた…あれだけ嫌だったサキに助けを求めたことに情けないと思ったが…今はそんなこと言ってられない状況だった…
『みかんちゃん…何か食べる?っていうか…先にお風呂入って来なよ…』
サキは…何故か上機嫌で優しかった…
『じゃあ…お風呂借りるね…』
私は…お風呂に浸かり芯から冷えた身体を温めた…頭の中は…この先の事ばかりを考えていたが何も浮かばなかった…
お風呂から上がり…サキが簡単な食事を用意してくれていた…
『みかんちゃん…あるもので作ったから大した料理じゃないけど食べて…』
『食事まで作ってくれてありがとう…』
『こんな時は…お酒でも飲んで難しく考えないのが一番だよ…』
そう言うと…サキは冷蔵庫からチューハイを持ってきた…
『私…お酒飲んだことないし…』
『大丈夫よ…ジュースみたいなものよ…さぁ飲んで…』
置かれている状況から…チューハイを飲んだ…
アルコールの力か…サキに心の苦しさを吐き出していた…それをサキは黙って聞いていた…
結局…二人で4本飲み…私は千鳥足になるくらいにフラついていた…
『みかんちゃん…もう寝よ…』
時計は朝方の5時になろうとしていた…
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雌の本性 ©著者:みかん
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