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3章:人生初めての告白
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3章:人生初めての告白
化粧を直して
絵本を買った。
達也の好きな骸骨が飛び出す本。
恭子「このマンション?」
さゆり「うん」
達也の家のドアの前にきた。
ドキドキする。。
恭子「大丈夫だって私、少しはなれてるけど一緒にいるから!頑張って!」
さゆり「うん!」
震える指でチャイムを押した。
ピーンポーン。
達也「はい…。」
静かな声で元気がない。複雑な気持ちになる。
達也がでてきた。恭子の方をチラっと見た。
さゆり「あ、あ、あのー夜分すいません。あ、こ、この絵本達也君にあの渡したくて、私、絵本好きで良かったらもらって下さい。」
達也「え、いらね。」
持っていた絵本がさゆりの手からばさりと落ちた。
さゆりは、頭の中が真っ白になってその場でしゃがみこんだ。 達也の手元が視界にうつる。
フラフラする。
だけど伝えなきゃ。
さゆりは、ゆっくりと立ち上がった
。
さゆり「あの、私、達也君が好きなんです。気持ちを伝えにきました。ダメでも良くてもお返事聞かせて下さい。」
当たって砕けろ精神だ。
達也「え、わかんない。」
さゆり「え、わかんない?ってな、なんで?」
達也「うーんどっちでもない。ま、俺忙しいから。」
ドアが閉まった。
シーン
<さゆり心の声>な、何で?何で?何で?
わかんないって、どっちでもないって、何?そんなの予想外だよ。
涙が溢れてきた。
恭子は、見ていられなくなった。
恭子「頑張ったよ!ここで泣いてても仕方ない。お茶しよう。休もうよ。」
さゆり「うん。」
さゆりの人生で初めての告白は、曖昧な返事で終わった。
さゆりの中では、経験がないために分からないという答えがあることすら知らなかったのです。
これがまた深い困惑状態に陥る原因になったのかもしれない。
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暗闇 ©著者:桜智恵子
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