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60章:究明(前)①
高城「はじめまして、桐谷さん」
向かいの席に着いた高城が、にこやかに挨拶してくる。
これまでは遠目に見るだけだったが、彼女はやはり美人だ。
身体のラインがくっきり出るような真っ白いセーターを着ており、その美しい曲線に目を奪われそうになる。
…が、そんなことは問題じゃなかった。
極端な話、彼女が下着姿で現れようと、それに見惚れない自信はあった。
彼女の普段の容姿から、そういった覚悟はしていたからだ。
しかし――ここに汐崎真奈美を連れてくるとは、思わなかった。
これはまったくの計算外だ。
いつの間に、2人に繋がりができたのか…?
顔を合わせたのは汐崎が連れ去られた時だろうが、汐崎真奈美にとって、高城は父親を連れ去った憎むべき相手のはずだ。
高城が上手く言い包めた、という可能性も考えられるが、ここにこうして連れてきたことからして、それは無さそうだ。
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