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30章:探索
「うん。そう…××市って言っていたよ。うん。それしか…」
電話の相手は古乃羽。
俺は姉に頼まれて、白谷さんのことを聞いて回っている。
…と言っても神尾さんと古乃羽の2人相手に、だけど。
白谷さんの一番の"友人"であったはずの彼女達。
しかし予想以上に…いや、予想通り、情報は少なかった。
彼女はいつからかそこに居て、知らずに仲良くなっていたという。
ひとつハッキリしているのは、彼女と知り合ったのは寺坂家に行ったとき以降だ、ということ。
それ以前は…?というと、古乃羽曰く「白谷佳澄なんていう人は、どこにも居なかった」らしい。今思えば、の話だが。
友人が多い神尾さんも色々な人に聞いてくれたが、白谷さんについては誰もが"美加と古乃羽の友人"という認識しかないようだった。
住所や電話番号、年齢や出身についても誰も知らず、大学のどの学科の名簿にも彼女の名前は無かった。
そうして散々聞きまわって分かったのは唯一つ、神尾さんが聞いた「××市に住んでいる」ということだけだった。
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赤緑シリーズ ©著者:hare
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