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1章:子猫 (1/11)

1章:子猫

ウチにはもう10年飼っていた猫がいたんだ。
ウチの前は昔大きな広場で、その猫はその広場の片隅にある車の中で寝ていた子猫だった。
俺と姉ちゃんでその猫を家の庭まで連れ帰ってきちゃって餌とかやってたんだよね。
でも父親は物凄い猫(というか動物全般)が嫌いだったから、庭で餌をやってる俺らをいつも怒鳴りつけてた。
ある日母親が家の中で飼うことを許してくれた。なんで許してくれたんだろうなんてことは喜びに酔いしれてた俺らは気にもしなかったけど、母親も動物好きだったから隠れて餌をやってた、ということを後で聞いた。
俺と姉ちゃんで猫にミルと名前をつけた。
シャム猫と何かの雑種なんだとおもう。白にうすーい灰色の柄が入っていた。
猫に名前なんて父親には関係ないことで彼はやっぱり名前なんて呼ばなかった、というか家の中に存在するのが嫌だったんだから当然だったな。

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ちょっといい話 ©著者:hare

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