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9章:出会いと別れ (2/8)

相馬は打ち所が悪く、脊髄を損傷し、下半身不随となった。


近隣の人達の目撃証言もあり、私と幸一郎が罪に問われる事はなかった。


そして私と相馬は離婚した。


この度の騒ぎで相馬の両親が出てくる事となった為に全てを話したら離婚を要求されたのだ。


相馬の両親は元々私との結婚に反対していた。


以前、相馬が私に怪我をさせた時に母が多額の慰謝料をむしり取った為にいい印象があるわけなかったのだ。


「だからこの結婚には反対だったのよ!絶対に何かがおこると思っていたわ!養育費は出さないからねっ!もう二度とうちには関わらないでちょうだい!」


離婚届にサインをした際に相馬の母からそう怒鳴られた。


どうやら相馬側に幸一郎を引き取る気は更々なかったようで胸を撫で下ろした。


幸一郎には寂しい思いをさせるが相馬の虐待に耐える日々よりはましなはずだ。


「コウ…パパとはもう会えないの。これからはママと二人で生きていきましょう」


離婚が成立した時に幸一郎にそう言った。


そして事の顛末を全て説明した。


「そうなんだ…」


背筋が凍りつき、言葉を失った。


幸一郎は嘲笑を浮かべたのだ。


父親が不自由な身体になったというのに幸一郎は心を痛めるどころか溜飲が下がったかのような面持ちだったのだ。


この家庭は既に崩壊していた。


改めて実感した。


そして私と幸一郎の二人だけの生活が始まったのだ。

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雲路の果て ©著者:ゆえ

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