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8章:惨劇の夜 (2/6)

夕飯の準備を手際よく終わらせると、幸一郎に食べさせた。


そして出勤の準備を済ませると幸一郎に告げた。


「コウ、ママは今日は早く行かないといけないの。すぐにお風呂入っちゃって。パパが帰ってきたらすぐにお風呂入りたがるだろうし、パパも疲れてるだろうから一人で入りたいと思うの」


幸一郎は小さく頷くと風呂場に向かった。


“急遽同伴が決まったのでもう行きます。コウのご飯は済ませました。”


相馬に書き置きを残すと、風呂場の幸一郎に声を掛けた。


「コウ!ママもう時間だから行くけど、すぐにパパが戻ってくると思うから、いい子にしてるのよ?」


「うん…」


中からの返事を確認すると鞄と靴を持ち、クローゼットに身を潜め、隙間から様子を窺った。


ややあってから幸一郎は風呂場から出てきた。


パンツと服を着る幸一郎を見て、目を疑った。


幸一郎の身体は無数の痣が出来ていたのだ。


思わず漏れそうになる声を必死に抑えた。


ここ最近、幸一郎は私とお風呂に入るのを拒んだ。


『いつまでも母親と風呂なんか入らないだろ』


相馬はそう言って笑っていたが、これが原因だったのだろう。


私に痣を見られたくなかったのだ。


幸一郎は私に気づく事なく、着替えを済ませるとTVゲームを始めた。


息苦しさに限界を覚えていると玄関の鍵が開く音が聞こえた。


相馬が帰ってきたのだろう。


幸一郎はびくりと身体を震わせると小さな声で“おかえり”と呟いた。


相馬は返事をする事なく部屋に入ってきた。


幸一郎がゲームを止め、振り返ったと同時に相馬は躊躇う事なく手を振り上げた。


バチンという音が室内に響き渡った。


幸一郎は叩かれたところを押さえ、苦痛に顔を歪めた。


相馬?
いきなり何を…


相馬は幸一郎の髪を鷲掴みに引っ張り寄せるとその顔を覗き込んだ。


「なぁ…昨夜美優から変な事を聞かれたんだ。お前、美優に喋っただろ?」


「パパ…やめて。僕は何も…喋ってない…よ」


「嘘をつくな!!」


相馬は声を荒げると幸一郎の背中を拳で殴った。


幸一郎は咳き込み、前のめりになった。


相馬はその様子をゴミを見るような目で見つめている。


私は現実を受け止められず、ただ呆然と見つめる事しか出来なかった。

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雲路の果て ©著者:ゆえ

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