ホスト,キャバ,風俗等のちょっと大人の無料ケータイ小説!PC,スマホ、ガラケー全対応!

4章:依存 (6/6)

ボタンに指が触れた瞬間、相馬に腕を掴まれ、引き寄せられた。


間近に相馬の顔が迫る。


抱き締められているわけではないが、こうも近くに異性の顔がある状況になれない私は動揺した。


「相馬君?!何を…」


「アンタさ、本当にこのままでいいの?」


相馬の落ち着いた低い声が頭に響く。


「…え?」


「アンタはこのまま母親の言いなりで人生終えるつもりなのか?」


思わず固まった。


そんな私を他所に相馬はとんでもない事を口にした。


「ねぇ、俺と一緒に来ないか?俺がアンタの面倒を見てやるよ」


頭の中は混乱を極めた。


相馬と…一緒に?


「アンタは母親から解放されたいんだろ?だったら俺と一緒に来ればいい。俺はアンタが好きだ」


相馬はそう言うと私を真っ直ぐ見つめた。


相馬が初めて男の顔を見せた瞬間であった。


その顔は悪魔のように官能的であった。


母からの解放。


それは私の昔からの願いだ。


でも…


「ねぇ、十和田…」


「…いやっ!離して!」


掴まれた腕を振りほどくと屋上から走り去った。


「十和田!俺は18時にはこの街を出る!アンタにその気があるなら駅に来い!」


遠くで相馬の声が聞こえた。


鼓動は異常なまでに早くなり、顔は溶けてしまいそうなくらいに熱い。


それでも私は家までの道を止まらずに走り続けた。

23 /82

※この小説を友だちに教える⇒メール

いいね LINEで送る

雲路の果て ©著者:ゆえ

夜のケータイ小説サイト「ホスラブ小説」
PC,スマホ、ガラケーで全ての機能が利用できます!

Copyright © hostlove.com All Rights Reserved.