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9章:看護婦さん
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9章:看護婦さん
クラスメートの藤原君は常におかしい。
そんな彼と、昨日病院に行ってきた。ヒロミちゃんが怪我で入院していたのでお見舞いに行ったのだ。
決して藤原君がおかしいから精神病院に言ったわけではない。
学校が終わってから行ってきたので、面会時間ギリギリだった。俺らは他愛ない話をし、来週には退院するというヒロミちゃんに安堵しながら帰ろうとした。
そのとき。
「ねえ佐倉、せっかくだから探検しよう」
と、藤原君があり得ないことを抜かしてきた。もちろん俺は断固拒否した。すると珍しく藤原君は引き下がり、
「なら僕だけで行ってくるよ。ヒロと浮気すんなよ?」
と、さっさと病室を出て行った。意外な展開に拍子抜けしたが、有り難いことこの上なかったので俺はお菓子を食べながら藤原君の帰りを待っていた。
しかしいつまでも藤原君は帰って来ない。面会時間ももう終わるし、だいぶ心配になってきた。
そこで、優しい俺は藤原君を探しに恐る恐る夜の病院を歩き回ることにした。
「ふーじわーらー出てこーい」
小さな声で廊下でさりげなく藤原君を呼ぶが、やはり藤原君はいない。真ん中まで進んだあたりで行き止まりになり、仕方なく俺は仕方なく引き返そうとした、が。
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