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9章:終始
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9章:終始
俺は事の顛末を知った。
俺には泣くことしか出来なかった。
男とあの女の悲しい過去。
俺の知らない家族の話。
全てが俺の胸に突き刺さり、涙を溢れさせていた。
俺はただただ悲しかった。
「じゃあな」
男はそう言うと俺から離れていく。
「これから、お前はどうする気なんだ?」
俺の問いに男は足を止める。
「俺には初めから守護霊なんてものはいない。
自分の身は自分で守ってきた。
だが、俺はもう能力を封印する。
俺がお前を苦しめたように、今度は俺が苦しむ。
もう、お前とは会うこともねぇ。
俺の行き着く先は妹や親父と同じ所さ」
そう言うと男は俺の目の前から消えた。
俺はレストランのトイレに戻ってきていた。
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