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6章:枕
涼が帰ってきた。
『心配したよ』
『何してたの?』
『どこに行ってたの?』
次から次に言いたいことが溢れてきた。
何も言えなかった。
涼は『ただいま』と一言だけ…
いろんな意味でびっくりして、思わず『おかえりなさい』と言ってしまった…
その瞬間、涼があたしから、目を反らした…
『枕だ』
いつかこんなに日が来ると思ってた。
だって、涼はホストだもん…
わかってたけど、やっぱりキツイよ!
涼にばれないように…
泣いた…泣いた…泣いた…
しばらくして、
涼は仕事の準備を始めた。
何も言わず、仕事に出かけた。
自分の顔を鏡で見たら、
すごい顔だった。
目が腫れて…
ちょーブサイク!!
ちょっと、笑えてきた
今は涼を失う方が、辛かった。
『レイは涼好みの女になる』
この頃は、何も見えなくなっていた。涼のことしか…
あたしがなくなっていく…レイはどこにいるんだろう?
自分でもわからなくなっていた。
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