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15章:本編5③ (1/5)

15章:本編5③

「そして、その地に帰ってきた子孫たちを守り続けてきた宮司の祖霊は、悪しきものの侵入に気づき、警告を発する。
それが春先から始まる幽霊事件だ。思い出して欲しい。
わたしはこの場にいる全員にそれぞれの幽霊との遭遇譚を訊いた。
その中で一人、たった一人だけ、他の人と異なる遭遇の仕方をしていた。誰だか分かるか」

気がつくと、ざわざわとした気配が僕の周囲からは離れていた。その神主の霊たちはある一箇所に集まり始めている。

「襲われているんだ。その人物だけが」

ハッとした。

僕……? 

なんだか分からないが、目の前が真っ暗になりそうだった。

師匠が僕の表情に気づいたかのように苦笑する。

「おまえのは、ただ通り道だったというだけだ。明け六つが始まるから、出て行こうとしたんだよ。その進行方向に座っていたというただの不運だ」

そうか。そう言えば、なんというか、害意のようなものは感じなかった。
では、その人物とはもう一人しかいないじゃないか。

「ひぃぃ」

泣き声のような悲鳴が上がる。和雄だ。和雄が呻きながら目の前の空間を手で払う仕草をしている。

その周囲には無数の影が蠢いている。まるで群がるように。

「おまえだけだよ。追いかけられているのは」

和雄の姿を見ながら、冷たい声で師匠はそう言った。
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未 ©著者:hare

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